THE SCISSORS HANDS NAGANO

「その顔そり、誰の仕事ですか」理容と美容の境界を知ってから選ぶ長野県長野市への移住

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「その顔そり、誰の仕事ですか」理容と美容の境界を知ってから選ぶ長野県長野市への移住

「その顔そり、誰の仕事ですか」理容と美容の境界を知ってから選ぶ長野県長野市への移住

2026/09/24

「顔そりもお願いできますか」と聞かれて、一瞬だけ言葉に詰まった経験はないでしょうか。美容師として何年も働いていても、理容と美容の境界線を正確に説明できる人は多くありません。境界を知らないまま働いても日々の仕事は回ります。けれど知っていると、自分の技術の輪郭と、隣に誰がいれば心強いかがはっきり見えてきます。

THE SCISSORS HANDS NAGANOは、1940年に創業した理容と美容の複合サロンです。入口ではバーバーポールが回っています。この記事では、法律の上での線引きから、複合サロンという場所で美容師が得られるものと得られないもの、そして面接で確かめてほしいことまでを順に整理します。移住を考えている方が、店の看板だけでなく中身で判断できるように書きました。

理容と美容は、法律の上では別の仕事です

グレーのタイルの目地をはさんで並ぶ二種類の椅子の足元

同じようにハサミを持ち、同じように髪を切っていても、理容師と美容師は別の法律に基づく別の国家資格です。まずは線がどこに引かれているのかを確認しておきます。

定義の言葉が、そもそも違う

理容師法では、理容を「頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えること」と定めています。美容師法では、美容を「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定めています。整えるのか、美しくするのか。条文の言葉を並べると、二つの仕事が出発点から違う方向を向いていることがわかります。

もちろん現場では両者の技術は大きく重なっていて、この一文だけで仕事の中身が決まるわけではありません。それでも、免許が別であり、それぞれにできることの範囲があるという事実は、働く場所を選ぶときの前提として知っておいて損はありません。

顔そりは、どこまでなら美容師の仕事か

境界がいちばん見えやすいのが顔そりです。昭和23年の厚生省の通達で、化粧に付随した軽い程度の顔そりは、化粧の一部として美容師が行っても差し支えないと示されました。裏を返すと、化粧と切り離した顔そりや、ひげをしっかり剃るシェービングは理容の領域と考えられています。メイクの前に産毛を整えるのと、男性のひげを剃るのとでは、同じ刃物を使っていても法律上の位置づけが違うということです。

お客様からすれば、どちらも顔を剃ってもらうことに変わりはありません。だからこそ、引き受けられない理由を自分の言葉で落ち着いて説明できるかどうかが、美容師としての信頼につながります。

男性のカットは、つい最近まで線の外側だった

昭和53年の通知により、美容師がパーマを伴わずに男性の髪を切ることは、長く認められていませんでした。この扱いが改められたのは、2015年7月の厚生労働省の通知です。同じ通知で、理容師が女性にパーマをかけることについての制限も見直されました。現在では、美容師が男性のカットだけを担当することに問題はありません。メンズカットを当たり前に受けている今の美容室の風景は、実は10年ほどの歴史しかないのです。

この経緯を知っていると、年配の男性のお客様が美容室に少し遠慮がちに入ってくる理由も見えてきます。長いあいだ、男性は理容室で切るものという前提で暮らしてきた世代がいるのです。その世代にとって、理容と美容の両方の看板がある店は、気後れせずに入れる入口になります。

免許は別々で、取り方も別々

理容師と美容師にはそれぞれ国家試験があり、原則として養成施設で所定の課程を修めてから受験します。片方の免許を持っていても、もう片方の業務はできません。両方の免許を持つ人もいますが、それは二つの課程と二つの試験をくぐってきたということです。

境界線は書類の上だけの話ではなく、それぞれが学んできた時間の違いでもあります。隣で働く相手の免許には、その人が積み上げてきた年月が詰まっています。

境界を知ることは、自分の仕事の輪郭を知ること

線引きを確認すると、不自由に感じるかもしれません。けれど実際には逆で、自分が何を引き受けられて、何を人に任せるべきかが明確になります。できないことを曖昧にしたまま働くより、できることの範囲を正確に言える人のほうが、お客様にも同僚にも頼られます。境界を知ることは、自分の技術に責任を持つことと同じ意味を持っています。

都市の大型店では、分業が進んでいるぶん境界を意識しなくても働けることがあります。地方の店では一人が担う範囲が広くなりやすく、だからこそ線がどこにあるかを自分で把握しておくことが、そのまま仕事の質に直結します。

複合サロンに来るのは、どんなお客様か

雨の日の入口の傘立てに並ぶ大人用と子ども用の傘

理容と美容の両方の看板を掲げる店には、美容室だけの店とは少し違う顔ぶれのお客様が集まりやすくなります。ここでは一般的な傾向として整理します。当店の客層の比率をお約束するものではありません。

家族単位で通う理由が生まれる

美容室と理容室が別々だと、父親は理容室へ、母親と娘は美容室へと、家族がそれぞれ別の店に通うことになります。一つの店で両方がそろっていれば、同じ日に同じ場所で済ませられます。予約の手間も移動も一度で足ります。

地方都市では車で家族そろって出かけることも多く、この「まとめて済む」便利さが店を選ぶ理由になりやすいのです。技術の評判とは別の軸で選ばれているという事実は、働く側が知っておいてよいことです。

家族で来店するお客様を担当すると、一人の髪だけでなく、その家族の予定や暮らしぶりも自然と耳に入ってきます。次に誰がいつ来るのかがわかると、予約の組み方にも余裕が生まれます。

世代の幅が、そのまま技術の幅になる

祖父母、親、子どもの三世代が同じ店を使うと、担当する髪の条件も広がります。白髪が増えて細くなった髪、部活で短く刈りそろえたい髪、就職活動に向けて整えたい髪。都市の専門店で特定の客層を深く掘り下げるのとは別の方向で、対応できる髪の種類が増えていきます。

どちらが上ということではありません。深さを取るか幅を取るかは、美容師としてどんな将来を描くかによって答えが変わります。

「いつもの店」が長く続く

長く営業している店には、何十年も通い続けているお客様がいることが少なくありません。子どもの頃に初めて髪を切ってもらった店に、今度は自分の子どもを連れてくる。そうした来店の連なりは、新規の集客とは違う形で店を支えます。担当になった美容師は、一人のお客様の向こうにいる家族の歴史にも触れることになります。

こうしたお客様は、担当者が変わることにも敏感です。前の担当者と同じようにしてほしいという要望と、新しい提案への期待が混ざっています。電子カルテに残る施術の記録は、その橋渡しを支える道具になります。

男性客との会話の前提が少し違う

理容の文化に親しんできた男性客は、短い時間で手際よく仕上がることを重視する傾向があります。一方で、美容室ならではの提案を新鮮に受け取る方もいます。どちらの期待に寄せるかは、最初の数分の会話で探ることになります。

聞き方の引き出しが増えることは、複合サロンで働く美容師の実感としてよく語られる点です。言葉数の少ないお客様から希望を引き出す力は、どの店に移っても持ち運べる技術です。

客層の構成は、店に直接聞いてほしい

ここまでの話は、複合サロンという形態の一般的な傾向です。実際に男性客がどれくらいの割合か、どの世代が多いかは、店や時期によって変わります。この記事で当店の数字をお約束することはしません。気になる方は、面接の際に率直に聞いてください。

聞きにくいと感じる必要はありません。どんなお客様を担当することになるのかは、働く側にとって給与と同じくらい大切な条件です。答えがはっきりしない場合も、それ自体が一つの判断材料になります。

メンズの技術は、美容師の引き出しをどう変えるか

刈り上げの襟足にクリッパーを当てる手元

2015年の通知以降、メンズカットは美容師にとって当たり前の仕事になりました。短い髪を扱う機会が増えると、技術の考え方そのものにも変化が起きます。

短い髪ほど、ごまかしがきかない

長い髪なら、多少の段差は重さや動きの中に溶け込みます。数ミリから数センチの短い髪では、ハサミの一本一本がそのまま見た目に出ます。刈り上げのつながり、耳まわりのライン、襟足の処理。どれも仕上がりの印象を大きく左右し、失敗が隠れる場所がありません。

この緊張感は、長さのあるスタイルを切るときの精度にも返ってきます。短い髪で鍛えた目は、長い髪の中の小さなずれにも気づくようになります。

クリッパーとハサミの持ち替え

メンズの短髪では、クリッパーで土台を作ってハサミでつなぐ場面が多くあります。美容学校ではハサミを中心に学んできた人も、道具の持ち替えに慣れると仕上がりの幅が広がります。道具の選び方ひとつで施術時間も変わるため、段取りの考え方そのものが見直されます。

最初は手が慣れず、ハサミだけで仕上げたほうが早いと感じるかもしれません。それでも、クリッパーで均一な長さを先に作っておくと、ハサミで整える時間を細部に集中して使えるようになります。道具を増やすことは、時間の使い方を選べるようになることでもあります。

来店周期が短いお客様との付き合い方

短い髪のお客様は、形が崩れるのも早いため来店の間隔が短くなりがちです。ひと月に一度、あるいはそれより頻繁に顔を合わせるお客様は、担当する美容師にとって会話の積み重ねが早いお客様でもあります。

前回の仕上がりへの感想をすぐ次回に反映できるので、提案の精度が上がりやすいのです。施術の記録を丁寧に残しておくほど、この往復は短い期間で実を結びます。

流行の移り変わりを、男性側から見る

メンズのスタイルは、ここ10年ほどで大きく変わりました。フェードや刈り上げのバリエーションが増え、若い世代ほど細かな指定をして来店します。女性のスタイルとは違う速さで流行が動くため、二つの流れを同時に追えることは、美容師としての感度を保つ助けになります。

写真を見せて細かく指定してくる若いお客様に応えるには、スタイル名と技術の対応をこちらが正確に知っている必要があります。知らない言葉を知らないまま受けてしまうと、仕上がりの小さなずれが信頼を削ります。

件数として約束できないこと

メンズの技術を磨ける環境かどうかは、実際にどれだけの男性客を担当できるかに左右されます。これは時期や予約の状況によって変わるため、当店として担当件数をお約束することはできません。

メンズの技術を伸ばしたいという方は、面接でその希望をそのまま伝えてください。約束ではなく、希望として受け止めて相談します。

隣の仕事から学べること、越えてはいけない線

鏡越しに隣の手元を見る後ろ姿

理容師と美容師が同じ空間で働くと、互いの仕事が自然と目に入ります。学べることは多い一方で、見て覚えたからといって手を出してはいけない領域もあります。

見るだけで伝わる段取りがある

理容の現場では、限られた時間の中で手順を崩さずに仕上げていく段取りが磨かれています。道具の置き方、タオルの扱い、お客様の姿勢を変えるタイミング。言葉で教わらなくても、隣で見ているだけで気づくことがあります。

当店は完全マンツーマンで、施術中は一人のお客様に最初から最後まで向き合います。自分の施術に集中しながら、ふとした合間に周りの仕事から学ぶ。その距離感で十分です。

反対に、美容の側の段取りが理容の人の目に新鮮に映ることもあります。学びは一方通行ではありません。お互いの仕事を尊重しながら見て取れるものを持ち帰る、その繰り返しが店全体の底上げにつながっていきます。

顔そりの希望は、免許のある人につなぐ

お客様から顔そりを希望されたとき、美容師が自分で引き受けられるのは化粧に付随した軽い範囲までです。それを超える希望であれば、理容師の免許を持つ人に任せるのが筋です。

店の中に頼める相手がいるかどうか、どういう段取りでつなぐのかは店ごとに違います。入る前に確かめておくと、お客様を待たせずに済みます。

つなぐときに大切なのは、お客様に断られたと感じさせないことです。できないと伝えるのではなく、専門の人がいるので任せますと伝える。その一言の違いで、同じ内容でも受け取られ方がまったく変わります。

相談できる相手が、別の視点を持っている

同じ美容師どうしだと、似た発想で行き詰まることがあります。刈り上げの処理や、ひげと髪型のバランスなど、理容の視点からの意見は美容師にとって新しい切り口になります。逆に、カラーやパーマの相談を理容師から受けることもあるでしょう。免許の違いは、相談できる幅の違いでもあります。

特に、白髪が増えて短くしたいという年配の男性のお客様には、理容の側に蓄積された知恵が多くあります。美容の発想だけで答えを探すより、隣の視点を借りたほうが早く正解に近づける場面は珍しくありません。

学べても、免許の外は引き受けない

隣で見て技術の理屈がわかっても、免許の範囲の外の施術を自分で行うことはできません。これは店の決まりである以前に法律の話です。お客様に頼まれたから、少しだけならと引き受けることは、自分の免許だけでなく店全体の信用を危うくします。

線を越えないことは、相手の技術への敬意でもあります。相手の免許が背負っている学びの時間を尊重することが、同じ空間で気持ちよく働くための前提です。

ダブルライセンスは、取るべきか

夕方の光が差すカウンターに置かれた教本とノート

理容と美容の両方の免許を持つ人は、業界では珍しくありません。ただし、全員に必要なわけではありません。取るかどうかを判断するための材料を整理します。

取るには、時間と費用がかかる

もう一つの免許を取るには、原則として養成施設で所定の課程を修め、国家試験に合格する必要があります。働きながら通信課程で学ぶ道もありますが、数年単位の計画になります。

学費に加えて、実習やスクーリングで仕事を休む日も出てきます。収入が変わる期間をどう乗り切るかまで含めて考えておかないと、途中で息切れしてしまいます。

取ることで広がる仕事

両方の免許があれば、顔そりやシェービングを含むメニューまで一人で担当できます。お客様を途中で別の人に引き継ぐ必要がなくなり、一人のお客様に最初から最後まで向き合う施術とも相性がいいのが利点です。将来の独立を考えている人にとっては、開業するときの選択肢が増えることにもなります。

ただし、免許があることと、その技術で指名を得られることは別の話です。シェービングを一つのメニューとして成立させるには、免許を取った後にも練習と経験の積み重ねが必要になります。

取らなくても困らない人もいる

美容師としてカラーやパーマ、長さのあるスタイルを軸にしていくなら、美容師免許だけで十分に仕事は成り立ちます。メンズカットも2015年以降は美容師の仕事として担当できます。

周りが取っているから、という理由だけで数年の時間を投じる必要はありません。今の自分の強みを伸ばすほうが近道になる人も多いはずです。

判断の軸は、5年後に何を担当していたいか

迷ったときは、5年後にどんなお客様を担当していたいかを考えてみてください。家族全員の髪を一人で任されたいのか、特定の技術を突き詰めたいのか。その答えによって、もう一つの免許が投資になるのか遠回りになるのかが変わります。

移住を考えている方であれば、移住後の暮らしが落ち着くまでは今の免許で足場を固め、そのうえで次の学びを考えるという順番もあります。一度に全部を変えようとしないことも、長く続けるための工夫です。

店として、取得の支援を約束してはいない

念のため書いておくと、当店はダブルライセンスの取得費用の負担や、通学のための特別な休暇制度をお約束しているわけではありません。アポイントが終われば自由に退勤できる仕組みは、学びの時間を作るうえで役立つかもしれません。ただしそれは働き方の自由であって、取得のための支援制度を用意しているとは言えません。

支援がないことを隠して期待させるより、最初から書いておくほうが、入ってからの行き違いが少なくて済みます。取得を考えている方は、働き方の相談として面接で話してください。

看板の中身を、面接で確かめてほしい

壁掛けのスマートミラーに映る仕上がり写真を指で送る手元

複合サロンという看板だけで、働く環境のすべてがわかるわけではありません。移住を伴う転職であればなおさら、入る前に確かめておくべきことがあります。

誰が、どの免許で、何を担当しているか

店の中にどの免許を持つ人がいて、どの施術を誰が担当しているのか。これは求人票からは読み取れないことが多い情報です。顔そりの希望があったときにどうつなぐのか、メンズの予約はどう割り振られるのか。

具体的に聞いてみてください。答えの中身だけでなく答え方からも、その店が段取りをどう考えているかが見えてきます。

あわせて、美容師がメンズの予約を担当する機会がどれくらいあるのか、希望すれば増やせるのかも確認しておくと安心です。入ってから思っていた仕事と違ったと感じるのは、多くの場合、こうした具体的な確認が抜けていたときです。

当店が書けること

当店は、正社員として社会保険に加入しながら、高い還元を受けられる働き方を用意しています。正社員には最低補償があり、一例として週に5日、9時から19時で働く場合は月額25万円からという水準です。基本給と歩合は選択でき、業務委託との切り替えも3ヶ月または半年ごとに見直せます。アポイントが終われば自由に退勤でき、遅刻の理由を説明する必要もありません。

施術の記録は電子カルテで管理し、セット面には壁掛けのスマートミラーがあります。前回の仕上がりをお客様と一緒に確認しながら話せる環境です。

当店が約束できないこと

一方で、男性客の割合、理容の技術に触れられる機会の量、ダブルライセンス取得への支援については、この記事でお約束することはしません。時期や体制によって変わるものを、確かなことのように書くのは誠実ではないと考えています。気になる点は、遠慮なく面接で聞いてください。

美容師の3年以内の離職率は40.9パーセントという数字が、厚生労働省の専門委員会の資料で示されています。入る前の期待と入った後の現実のずれは、離職の大きな理由の一つです。そのずれを少しでも小さくするために、書けないことは書かないと決めています。

移住の判断は、自分の目で

店は長野駅から徒歩10分の場所にあり、東京や神奈川から移住してきたスタッフもいます。引越費用の一部補助や物件の紹介も行っています。それでも、最終的な判断はご自身の目で確かめてからにしてください。入口のバーバーポールをくぐって、店の空気を感じてもらうのがいちばん確かです。

店を訪ねる機会があれば、施術中の空気や道具の置き方、スタッフどうしの距離感を見てください。記事や求人票では伝えきれないものが、店の中には必ずあります。

募集要項と応募は、求人ページからご覧いただけます。理容と美容の境界線が一つの店の中を通っている場所で、自分の技術の輪郭をもう一度確かめてみませんか。

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