THE SCISSORS HANDS NAGANO

「通勤に、年間何日払っていますか」地方都市長野市で移動に消える時間を取り戻す

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「通勤に、年間何日払っていますか」地方都市長野市で移動に消える時間を取り戻す

「通勤に、年間何日払っていますか」地方都市長野市で移動に消える時間を取り戻す

2026/09/01

家を出る時刻から逆算して、目覚ましをかける。その時刻は、あなたが自分で決めたものではないはずです。開店前の準備に間に合う電車、その電車に乗るために出る玄関、そこから逆算された起床時刻。一日の始まりが職場の都合で決まっているのに、その時間には給与が発生しません。そして不思議なことに、この話は面接でも求人票でもほとんど話題になりません。給与、休日、待遇。条件として比較されるのはその三つで、そこへ通うためにあなたが毎日差し出している時間は、どこにも計上されないまま消えていきます。この記事では、美容師にとっての通勤時間を金額と日数に置き換えて眺め直し、長野県長野市で働く場合に何がどう変わるのかを、契約で保証できる範囲の事実だけで整理します。移住を勧めるための美談ではなく、時間の収支の話です。

通勤時間は、給与の出ない拘束時間です

早朝の駅のホームで電車を待つ日本人スタイリスト

通勤について語られるとき、たいてい「大変ですね」で終わります。けれど大変さは主観なので、比較にも判断にも使えません。転職を考えるときに必要なのは、比較できる形に直された数字です。まず、そこから始めます。

片道1時間半は、1日3時間の無給拘束

東京や大阪で働くスタイリストの通勤時間は、片道30分で済む人もいれば1時間半かかる人もいます。仮に片道1時間半とすると、往復で3時間。この3時間は、労働時間としてカウントされません。給与も出ません。それでも、その時間にあなたは自由に動けない。座れたとしても、寝るか、スマートフォンを見るか、疲れているなら何もできないか。少なくとも、自宅にいるのと同じようには使えません。

雇用契約書には勤務時間が書かれています。しかし実際に「職場のために拘束されている時間」は、その勤務時間に通勤時間を足したものです。この差額は、給与明細のどこにも現れません。仮に月給30万円で1日8時間・月22日勤務なら、時給に直すとおよそ1,700円です。ここに往復3時間ぶんの拘束を足して割り直すと、1,200円台まで落ちます。同じ給与でも、実質の時間単価はここまで変わります。

もちろん通勤時間に給与を出せという話ではありません。ただ、二つの求人を比較するとき、給与額だけを並べても実態は見えないということです。片道20分の店の月28万円と、片道1時間半の店の月30万円。額面で選ぶと後者ですが、拘束時間で割ると前者のほうが上回ります。

年間に直すと、何日分になるのか

週休二日で年間240日ほど出勤するとして、往復3時間を掛けると720時間になります。720時間は30日です。1年のうち丸1か月ぶんを、電車やバスの中で過ごしている計算になります。片道1時間なら往復2時間で480時間、20日ぶん。片道40分でも往復80分、年間320時間で13日ぶんです。

10年続ければ、片道1時間半の人は300日を移動に使っています。ほぼ1年です。この数え方をすると気が滅入るという方もいると思いますが、目的は落ち込むことではありません。自分がいま何を支払っているのかを正確に知らないまま、次の職場を選ぶことのほうが危険だという話です。

この数字を見て「だから通勤の短い店に移れ」と言いたいわけでもありません。都市部の場合、店が繁華街にあり、住居費の関係で住めるのは郊外、という構造そのものが通勤時間を生んでいます。個人の努力で圧縮できる幅には限界があります。都心に住めば通勤は減りますが、家賃が上がって手元に残る額が減る。結局どこかで支払うことになる、というのが都市部の構造です。

「慣れ」は、解決ではありません

長く続けていると、通勤は慣れます。慣れるので、負担として認識されなくなります。しかし認識されなくなっただけで、時間はそのまま消えています。そして体力の消耗も消えていません。慣れというのは、負荷が減ったのではなく、負荷を感じ取るセンサーの感度が下がった状態です。

この感度の低下は、意外なところに現れます。休日に遠出をしなくなる。友人の誘いを断るようになる。講習に行く気力が湧かない。どれも「年齢のせい」や「性格のせい」にされがちですが、平日に往復3時間を移動に使っている人が休日も移動したくないのは、単に合理的な判断です。身体は正しく反応しているだけで、意欲の問題ではありません。

自分の状態を確かめる簡単な方法があります。休みの前日に、翌日やりたいことを三つ書き出してみる。そして翌日の夜に、いくつ実行できたかを見る。ゼロが続くなら、それは怠けではなく、平日の消耗が休日まで侵食しているサインです。

通勤時間が奪うのは、体力だけではありません

美容師にとって、練習の時間は技術の寿命に直結します。新しいカット技法、薬剤の知識、SNSでの発信、撮影。どれも営業時間外の時間を必要とします。往復3時間が先に引かれた状態では、そこに回せる余力はほとんど残りません。

厚生労働省の理容師・美容師専門委員会が2024年に示した資料では、美容師の3年以内離職率は40.9%とされています。この数字の背景として語られるのは給与と人間関係が中心ですが、時間が足りないという慢性的な状態も、静かに効いています。技術を磨きたくて入った業界で、技術を磨く時間が確保できない。その矛盾に耐えられなくなるのは、意志の弱さではありません。

そしてこの消耗は、辞める側だけの問題では終わりません。残った人が抜けた穴を埋め、さらに時間がなくなる。技術の継承も止まります。個人の疲労として処理されている問題の多くは、実は時間配分の設計の問題です。

美容師の通勤が、他の職種より重くなる理由

閉店後のサロンで片付けをする日本人女性スタイリスト

同じ片道1時間でも、職種によって負担は変わります。美容師の場合、通勤時間そのものより、その前後にくっついてくるものが厄介です。四つに分けて見ていきます。

開店前の準備と朝礼が、始業時刻を前倒しします

営業開始が10時だとしても、実際に店に入るのは9時、店舗によっては8時半ということがあります。掃除、タオルの準備、器具の確認、そして朝礼。朝礼は5分で終わることもあれば、伝達事項や意識づけの話が続いて20分になることもあります。

この前倒しは通勤時間に直接加算されます。始業10時・片道1時間半なら8時半に家を出れば足りるはずが、8時入りなら6時半に家を出ることになる。1時間半の差は、起床時刻にそのまま跳ね返ります。5時台に起きる生活が何年も続けば、睡眠時間はどこかで削られます。

厄介なのは、この前倒しぶんが労働時間として扱われないことが珍しくない点です。9時入りが慣習になっていても、契約上の始業は10時のまま。1日1時間、年間240日で240時間。この扱いを問題にしにくい空気があること自体が、業界の課題として長く指摘されてきました。

終電を気にしながら、最後のお客様を仕上げる

朝の話より深刻なのは、終わりの時刻が読めないことです。最終のお客様がカラーとトリートメントで、想定より時間がかかった。予約が押している。片付けが残っている。こうした要素が積み重なると、退勤時刻は自分で決められません。

通勤時間が長い人ほど、この不確実性のコストが高くなります。片道20分なら30分の残業は「30分遅く帰る」で済みますが、片道1時間半で終電が近いと、30分の遅れが「終電を逃す」に変わる可能性が出てきます。だから時計を見ながら手を動かすことになる。お客様に向き合っているはずの時間に、頭の一部が時刻表を見ている。この状態は、技術者としてあまり気分のいいものではありません。

そして本人が気にしていることは、たいてい伝わります。仕上げを急いでいる、話を早く切り上げようとしている。お客様は言葉にしないだけで感じ取ります。通勤時間の長さが、接客の質にまで届いてしまう。ここが、通勤を単なる移動の問題として片付けられない理由です。

立ち仕事のあとに、立ったまま移動する

美容師の勤務は、ほぼ全時間が立ち仕事です。そのうえで満員電車に乗れば、座れないまま片道を過ごすことになります。腰や脚への負担は、勤務時間だけを見ていては測れません。手荒れや腰痛といった職業病の話をするとき、通勤の姿勢まで含めて考えている人は多くありません。

車通勤であれば座れますが、都市部では駐車場代と渋滞という別の問題が発生します。月極の駐車場が2万円、3万円という地域もありますし、渋滞に巻き込まれれば所要時間は電車より読めなくなります。結局、都市部で働く限りは何かを支払うことになります。

身体の話は、若いうちは実感しにくいものです。20代のうちは回復が早いので、負荷が蓄積していることに気づきません。30代の半ばを過ぎたあたりから、同じ働き方が急に重く感じられるようになります。そのときに変えられる環境を持っているかどうかは、技術者としてどこまで続けられるかを左右します。

休日出勤・講習・練習が、通勤の回数を増やします

週休二日でも、講習や撮影、モデルハントで店や別会場に出る日があります。この日の移動時間は、勤務日と同じだけかかります。年間240日出勤という前提が、実際には260日、270日になっていることは珍しくありません。

そして休日に店へ行くための移動は、心理的な負担が平日より大きくなります。休みの日に往復3時間を使う判断ができず、練習そのものを諦める。これも「やる気がない」と片付けられてしまう現象ですが、実態は移動コストの問題です。往復20分なら「ちょっと行ってくる」で済むことが、往復3時間だと一日仕事になります。

成長機会へのアクセスのしやすさは、距離で決まる部分が大きい。技術を伸ばしたい人ほど、この点は真剣に見ておく価値があります。

長野市の店に通うということ、距離の実際

バーバーポールのあるサロン外観と長野市の街並み

ここからは、THE SCISSORS HANDS NAGANOで働く場合に通勤がどうなるのかを、具体的に書きます。印象や雰囲気ではなく、数字で確認できることだけを並べます。

長野駅から徒歩10分という位置

店は長野駅から徒歩10分の場所にあります。1940年創業の理容と美容の複合サロンで、入口にはバーバーポールが回っています。

徒歩10分という距離は、雨の日でも傘をさして歩ける範囲で、乗り換えを挟まずに済む範囲でもあります。駅から歩けるということは、電車で通う場合の「駅からバス」「駅から自転車」という二段構えが不要になるということです。この二段目が実は読みにくく、遅延の影響を増幅させます。バスが1本遅れれば15分、それが接続する電車を1本落とせばさらに10分。二段構えの通勤は、遅れが掛け算で効いてきます。

駅に近いということは、休みの日の使い方にも関わります。仕事帰りに買い物をする、そのまま出かける、逆に休日に街へ出て店に寄る。職場が駅前にあることは、生活の導線に組み込みやすいという意味を持ちます。

車で通う選択肢があります

駐車場があります。都市部で車通勤をしようとすると、店の近くに月極を借りるか、そもそも駐車場自体がないかのどちらかです。長野市では、車通勤が現実的な選択肢として存在します。

座って移動できるということは、立ち仕事の前後に脚を休められるということです。ハンドルを握る負担はありますが、満員電車で立ち続けるのとは種類の違う疲れ方をします。荷物を積んでおけるので、道具や着替えを毎日持ち歩く必要もありません。シザーケースや練習用のウィッグを毎日肩に掛けて満員電車に乗る生活と比べると、日々の負担はかなり変わります。

雪の季節については、正直に書きます。長野市は冬に雪が降ります。スタッドレスタイヤは必要ですし、雪の朝は普段より早く出る日もあります。ただ、これは年間を通じて毎日ではありません。都市部の毎日の満員電車と、冬の一定期間の雪道。どちらを取るかは比べてみる価値があります。

通勤圏は長野市の中だけではありません

実際に通勤圏として想定しているのは、長野市のほか上田市、千曲市、須坂市、そして松本市の一部です。住む場所を長野市の中心部に限定する必要はありません。

これは住まいの選択肢が広がるという意味を持ちます。都市部では「職場に近い=家賃が高い」「家賃が下がる=通勤が伸びる」というトレードオフから逃れられませんが、その傾きが緩やかになります。実家がこのあたりにある方であれば、実家から通うという選択も現実的です。UターンやIターンを考えている方にとって、この範囲の広さは検討の幅になります。

パートナーの勤務先との兼ね合いで住む場所を決めたい、という事情がある方もいます。通勤圏が広ければ、その調整の余地も広がります。二人分の職場から中間点を取る、という決め方ができるかどうかは、世帯で移住を考えるときに効いてきます。

交通費は支給されます

交通費は支給されます。通勤にかかる費用が自己負担にならないため、住む場所を「安く通えるかどうか」だけで決めなくて済みます。

金額の話をすると小さく聞こえますが、住む場所の決め方に自由度が生まれるという点で、意味は小さくありません。家賃が2万円安い代わりに交通費が月1万円増える、という比較をしなくてよくなります。住環境の良し悪しで住まいを選べる、というのは移住の満足度を左右する部分です。

満員電車という前提が、なくなります

ここは制度ではなく環境の話です。長野市は都市部と比べて通勤ラッシュの密度が違います。座って通える、あるいは車で通える。この違いは、勤務開始時点の体力に効きます。

朝一番のお客様に向き合うときの自分の状態が変わる、というのは、技術職にとって無視できない差です。カウンセリングで相手の話を聞く集中力も、最初の一鋏を入れるときの手の落ち着きも、そこまでの1時間半に何をしていたかの影響を受けます。同じ技術を持っていても、発揮できる状態でその場に立てているかどうかで、結果は変わります。

技術を評価してもらうために転職するのに、技術を発揮できない状態で毎朝出勤している。この矛盾は、多くの人が気づかないまま続けています。

制度の側からも、拘束される時間を削っています

スマートミラーのあるセット面で一人のお客様に向き合う日本人男性スタイリスト

通勤距離が短くなっても、始業前と終業後が伸びるなら、取り戻せる時間は限られます。距離の話と運用の話は、セットで見ないと意味がありません。そこで店の側の運用も変えています。

朝礼・終礼・定例会議を廃止しました

朝礼、終礼、定例会議をすべて廃止しています。始業前に集まって話を聞く時間がないので、始業時刻の前倒しが発生しません。伝えるべきことは伝えますが、全員を同じ時刻に集めるという方法を取っていません。

この廃止は、通勤時間の短縮と同じ効果を持ちます。片道が20分短くなるのと、朝礼のために20分早く出るのをやめるのは、起床時刻に対しては同じことです。距離を縮めるのは引っ越さないとできませんが、運用を変えるのは店の側の判断でできます。だからまず、できるほうから変えました。

会議をなくして情報が回らなくなるのでは、と思われるかもしれません。上下関係を作らない完全フラットな体制で、必要なことは必要な相手に直接伝わるようにしています。全員を集めないと伝わらない、という状態そのものを作らない設計です。

アポイントが終われば、退勤して構いません

その日の予約が終わっていれば、営業時間の途中でも退勤できます。誰かが残っているから残る、という運用をしていません。

これは終わりの時刻の不確実性を減らします。予約表を見れば、その日に何時に帰れるかがだいたい分かる。分かるということは、その後の予定を入れられるということです。夕方に用事を入れる、家族と夕飯を食べる、練習に時間を割く。予定を立てられるかどうかは、時間の量と同じくらい生活の質を左右します。

「今日は早く帰れそうだ」ではなく「今日は18時に帰れる」と言える状態。この差は、一緒に暮らしている人にとっても大きいはずです。約束ができる働き方かどうか、という言い方もできます。

遅刻の理由を、説明しなくて構いません

遅刻した理由を説明する必要はありません。電車が遅れた、寝坊した、子どもの支度に手間取った。理由の内容によって扱いを変えるということをしていません。

通勤に関わる話としてこれを挙げるのは、遅延の心理的コストが大きいからです。5分の遅れそのものより、遅れた事情を説明して受け取られ方を気にする時間のほうが消耗します。その説明を省けるだけで、朝の余裕は変わります。

この運用は、遅刻を推奨しているという意味ではありません。理由を申告させて評価する仕組みを持たない、というだけです。大人同士として扱う、という前提を運用に落とすと、こうなります。

完全マンツーマンなので、退勤時刻が他人に握られません

お客様一人に対してスタイリスト一人が最初から最後まで担当します。掛け持ちをしません。会計も担当したスタイリストがそのまま行います。

掛け持ちがないということは、自分の予定が他のスタイリストの進行に左右されないということでもあります。誰かの施術が押したから自分のヘルプに入る、という形で退勤時刻がずれることがありません。施術記録は電子カルテに残し、セット面の壁掛けスマートミラーで履歴や仕上がりを確認できるので、引き継ぎのための口頭説明に時間を使う場面も減ります。

記録を紙で残していた頃は、探す時間、書き写す時間、確認のために人を呼ぶ時間がかかっていました。そういう細かい時間の積み重ねが、閉店後に残る理由の一つになっていました。削れるのは記録と事務の部分ですが、削れる時間は決して小さくありません。

6時間の時短ユニットという設計

1日6時間の時短ユニットという勤務の形があります。通勤時間を減らすのではなく、勤務時間そのものを短く設計する選択肢です。

正社員の場合、週5日・9時から19時で月25万円からの最低補償があります。基本給と歩合はどちらを軸にするか選べます。時短で働くのか、フルタイムで歩合を厚くするのか。生活の局面に合わせて、時間と収入のバランスを自分で決められる形にしています。

子どもが小さい時期は時短で、手が離れたら戻す。介護が必要な時期だけ短くする。そうした出入りができることが、長く続けるための条件になります。一度でも短くしたら戻れない、という設計にはしていません。

浮いた時間を、何に使うか

まだ明るい夕方に私服で店を出る日本人女性スタイリスト

時間が増えること自体は目的になりません。増えた時間に何をするかで、この移動の話が意味を持つかどうかが決まります。ここは押しつける話ではないので、選択肢として並べます。

練習に使うなら、それは自分の資産になります

往復3時間が往復40分になれば、平日に2時間以上が戻ってきます。この2時間を練習に充てられるかどうかで、3年後の技術は変わります。

店の設備を使って練習することもできますし、自宅で座学に充てることもできます。重要なのは、練習するかしないかを自分で選べる状態になることです。今は選ぶ以前に、時間が存在していない人が多い。選択肢がない状態と、選ばなかった状態は違います。

地方に移ると技術が鈍る、という心配をされることがあります。これは環境ではなく時間配分の問題だと考えています。練習に充てられる時間が増え、記録や事務に取られる時間が減れば、条件としてはむしろ有利になります。

家族と過ごす時間は、あとから取り戻せません

子どもが小さい時期、親の体調が変わる時期。こうした期間は、あとで埋め合わせることができません。夕方に帰れるかどうかが、その期間の過ごし方を決めます。

東京・神奈川からこの店に移ってきたスタイリストがいます。移住には引越費用の一部補助と物件の紹介があります。家族と一緒に動く場合、この負担の軽減は判断材料の一つになります。

保育園の送りができる、夕飯に間に合う、寝る前に顔を見られる。ひとつひとつは小さなことですが、片道1時間半の生活ではどれも成立しません。成立しない状態が何年も続くことを、キャリアのために仕方ないと呼ぶかどうかは、その人が決めることです。

業務委託という時間の使い方もあります

正社員のほかに、業務委託という形もあります。業務委託は拘束がなく、高還元です。ただし最低補償はありません。

拘束がないということは、自分で時間を設計できるということです。その代わり、収入が読めない月が発生します。どちらが向いているかは、その人の生活の状況によって変わりますし、同じ人でも時期によって変わります。

ここを曖昧にしないほうがいいと考えているので、はっきり書きます。高還元は良いことばかりではありません。体調を崩した月、閑散期、予約が入らない週。そのぶんは直接収入に響きます。安定を必要とする時期に業務委託を選ぶのは、おすすめしません。

休息そのものを、予定に入れる

練習でも家族でもなく、単に休むために時間を使ってもいいはずです。美容師の仕事は身体を使います。回復しないまま次の日を迎え続けると、技術の精度が落ちます。

週休二日を確保しても、休日の半分を移動と疲労回復に使っているなら、実質の休みは半分です。平日の消耗が減れば、休日が休日として機能し始めます。休日の予定を立てられるようになった、という変化は、平日の時間配分を変えた結果として現れます。

それでも移住に踏み切れない人へ

ラーチ合板のカウンターで向かい合って話す二人の日本人美容師

通勤時間の話に納得しても、移住そのものへの不安は別に残ります。よく聞かれることに、順番に答えます。

収入は落ちるのですか

地方に移れば収入が落ちる、という前提は、店によります。この店では正社員のまま高還元の設計を取っています。週5日・9時から19時で月25万円からの最低補償があり、基本給と歩合はどちらを軸にするか選べます。

「安定を取るなら収入を諦める、収入を取るなら安定を諦める」という業界の二択を、そのまま受け入れる必要はないと考えています。正社員のまま高還元というのは、その二択を壊すための設計です。

加えて、生活費の水準が違います。同じ手取りでも、住居費が下がれば手元に残る額は変わります。額面だけで比較すると見落とす部分です。

社会保険や厚生年金はどうなりますか

正社員は社会保険完備、厚生年金に加入します。住宅補助、昇給、賞与もあります。

業務委託を選んだ場合は自分で国民健康保険と国民年金に入ることになります。この違いは長期で見ると小さくありません。だからこそ、雇用形態を固定せずに選び直せるようにしています。

厚生年金に入っていた期間の長さは、あとから増やせません。若いうちは実感しにくい部分ですが、判断材料としては入れておく価値があります。

住まいはどうなりますか

引越費用の一部補助と、物件の紹介があります。東京・神奈川から移ってきた実績があるので、手続きの流れについても具体的に案内できます。

先に書いたとおり、通勤圏は長野市のほか上田、千曲、須坂、松本の一部まで広がります。住む場所を先に決めてから通い方を考えることもできますし、その逆でも構いません。

移住で一番つまずきやすいのは、物件探しと退職時期の重なりです。内見のために何度も往復する余裕がない、という状態になりがちなので、そこは実務的に相談しながら進められます。

合わなかったら、どうすればいいですか

正社員と業務委託は、3ヶ月または半年ごとに選び直せます。一度決めたら終わりではありません。

働き方が合わないと感じたときに、辞めるか我慢するかの二択しかない状態は健全ではありません。その中間に、雇用形態を変えるという選択肢を用意しています。試用期間による待遇の差も設けていないので、入社初日から本採用と同じ条件です。

移住は大きな決断ですが、移住したあとの働き方まで固定される必要はない、という考え方です。

まず、話を聞くところから

通勤に年間何日を払っているか。その数字を出したうえで、それを取り戻す価値があるかどうかは、あなたが判断することです。この記事はその判断材料を並べただけで、結論を持っていません。

いま働いている店の通勤時間を、往復で計算してみてください。それに年間の出勤日数を掛けてみてください。出てきた数字を見て何も感じないなら、この記事はあなたには必要のないものです。

条件の詳細、給与の内訳、実際の一日の流れについては、募集要項のページに具体的に記載しています。移住の段取りや、いま在籍している店の退職時期との兼ね合いについても、聞いていただければ実務的にお答えします。募集要項・応募ページはこちらから確認してください。

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